違和感

二人と顔を合わせたその瞬間、アルは噴き出した。

「おっ、お前ら、仲良く頭に花つけてどうした!?」

「…あ。しまった、忘れてた」

「僕も付いてますか?」

髪にがっつり挿し込まれているユーベルと、撒き散らされていくつかが乗ってしまったクリスがそれぞれ自分の髪を払う。

「何やってたんだ…てか、ユーベル。全然取れてない」

「えぇー、ちょっと鏡のとこ行ってくる」

小走りで去って行ったユーベルを尻目に、残された二人が言葉を交わす。

「外で昼寝でもしてたのか?」

「いえ、子供たちの相手をしていたんです」

「あぁ、なるほど。…ははっ。お前似合わねーな」

「アルに言われると腹立たしいですが、自分でもそう思いますよ…」

珍しく和やかに談笑していると、ユーベルが花を手に戻ってきた。

「これで全部かな? もう付いてない?」

振り返る青い頭に二方向から満遍なく視線が注がれる。

「付いてないようです」

「おう、もう大丈夫だろ」

「あー、良かった。はは、すっごい挿さってた」

大の男に花というのもどうかと思う反面、年齢も性別も関係なく親しんでもらえる柔和な雰囲気は聖職者としてはありがたい資質で、特に子供に懐いてもらえるのがユーベルとしては嬉しくもあった。

「あ、待ってユーベル」

「うん?」

花を捨てに外に出ようとしたユーベルが呼び止められる。
アルの手が髪に触れて、花がひとつ落ちてきた。

「わり、見逃してた」

「あぁ本当だ。ありがとう」

追加された花も手に乗せて、改めてユーベルが外に出る。
アルが欠伸をしながらのんびりとその後を歩いて、残されたクリスは自分の胸に手を当てていた。

「……」

アルがユーベルの髪に触れた瞬間、とてつもなくざわついた、その胸に。